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インタビュー人物紹介


第十二回 株式会社 サスエ前田魚店
2017年8月

サスエ前田地元「焼津」の老舗魚屋。
代々伝わる魚屋としての「誇り」
「信頼」


株式会社サスエ前田魚店
代表取締役 前田 博氏

毎日、市場へ足を運んで、
自分の目で確かめること。
魚の良し悪しは、顔を見ればわかる。


サスエ前田

サスエ前田
 Q.焼津市でも海に近い本町に店を構えて60余年。
 サスエ前田魚店の誕生秘話を教えてください。
 おふくろの実家が焼津の浜通りにあって、今じゃ“オーシャン通り”なんて洒落た呼び方をしているけど(笑)、そこで祖父にあたる前田銀次郎が魚の行商をやっていた。前の浜で揚がる魚をその場で捌いて売り歩いていたって。浜通りで「前銀」っていえば、結構名前が通っていたみたいだね。

親父は前銀に奉公に出てて、そこの娘だったおふくろと出会って一緒になって。屋号の「サスエ」は、親父の名前、前田英逸の「英」をとって名付けられた。

当時はもちろん魚市場なんて洒落たものはなかったわけだ。祖父は浜で揚がった魚を静岡市街まで天秤棒を担いで歩いて運んでいたらしいよ。売り切っちゃうと、もう一往復したっていうから、昔の衆は大したもんだ。今じゃ考えられない。

親父がよく言っていたのは「店舗までお客さんが足を運んで来てくれることはすごくありがたいことだ」って。確かにそうだよね。

僕が小学校3年生のときに、浜通りから浅草通りに引っ越して。それが「サスエ1号店」になる。あの当時、魚屋はまわりに5店舗あったけど、結局、うちしか残らなかった。店は母が切り盛りをして、揚げ物をしたり、切り身を売ったり、総菜品が中心だったね。

サスエ前田 Q.当時の印象的な思い出は?
 僕が市場に行き始めたのは、小学校3~4年の頃かな。学校から帰って来ると「勉強しろ」じゃなく「長靴はけよ」が親父の口癖だった。

親父のあとにくっついて、市場で売られているお菓子を目当てに、よく通ったよ。ほかの魚屋の衆にも可愛がってもらった。その頃から今日まで、市場でずっと魚を見てきた。おかげで売り子の顔も、同業の魚屋の顔も全部わかるよ。

サスエ前田 Q.お父さまに反抗したことは?
 怖くて逆らえなかった(苦笑)。

今でも忘れられないのが、当時は刺身をお客さんの家に配達していたんだけど、中学校の近所にお得意さんの家が何軒かあって、そこに届けるのがいやでいやで。女子生徒に見られるのが恥ずかしかった。


Q.魚にうるさい地元の皆さんに愛されているサスエさん。
 こだわりや大切にしていることは何ですか?
 サスエ前田

サスエ前田
魚って生臭いでしょ。だからこそ、最初の下処理が肝心。当店では親父から教わってきたやり方を受け継いでいる。

それは、魚のウロコを取り、頭を落とし、内臓を抜いて水洗いし、三枚におろすといった、原魚を下処理する場所と、刺身などに調理加工する場所をしっかり分けること。

細菌汚染のリスクが高い下処理の工程を一室で済ませてしまう方が衛生的でしょ。

美味しいものを提供するのはもちろんだけど、安心して食べてもらいたいから、衛生管理にも気を配っている。

あとは、仕入れた魚はその日のうちに片を付けること。

売れ残った魚を翌日そのままの恰好で売ることはしない。仕入れたその日に処理をすませて、干物にしたり、揚げ物用に三枚おろしにしたり、違う格好で販売するように工夫している。

その日に水揚げされた魚は、翌日になると鮮度は必ず落ちるし、数日後には売り物にならなくなってしまう。売り切るためにはノウハウが必要。それができるからこそ、毎日たくさんの魚を仕入れることができる。


サスエ前田 Q.今、力を入れていることは何ですか?
 若い衆を育てること。僕らが教わってきたことを、若い衆にきちんと伝えていかなきゃならない。

素材の見極め方、処理の仕方、刺身の切り方、言い出したらキリがないけど、親父がよく言っていたのは「イワシの頭を上手にとれるようにならなきゃダメだ」って。それが原点。ブロックや節になっているものを切るだけなら、パートのおばさんでもできる。基礎ができていないと、お客さんにいいものを提供できなくなるからね。

うちに出入りする若い衆にも言うだよ。「明日から長靴はいて来い」って。口ばっかりじゃダメ。魚は理屈じゃないだよ。


Q.これから挑戦したいことはありますか? サスエ前田
昔は「一本買い」って言って、魚を丸ごと一本買って、自分の家でさばいて調理したもんだけど、核家族化が進む今は、なかなかそうはいかないからね。

一人でも多くのお客さんに喜んでもらうために、これからは加工品や惣菜品の販売にも力を入れていきたい。

うちでは昔からやっていたこと。細い太刀魚など売り物にならない魚を三枚におろして販売したり。当時、そんなことをやる魚屋はどこもなかった。

ひと手間、ひと工夫することで、お客さんにとっても僕らにとってもプラスになる。これからの時代、ますます必要とされると思う。今でも週末はアワビやサザエを煮て販売しているけど、おかげさんで大盛況だよ。


サスエ前田 Q.最後に…おいしい魚の見分け方をご伝授ください!
 魚の顔には、いい顔と悪い顔があってね。

一番のポイントは、顔の大きさ。小さくてしまっている方がいい。次に、目の大きさ。目も小さい方がいい。

あとは、ツヤ、ハリ、肥えっぷりで判断する。

ネットで買い物ができちゃう便利な時代になったけど、魚はとにかく自分の目で確かめないとダメ。

現物はもちろん写真の魚を見ただけで、産地を当てる自信がある。毎日市場に足を運んで、魚とにらめっこしているからね。たまに行かないと「昨日は静かでいいっけや」って言われちゃう(笑)。

魚ってね、意外と奥が深いだよ。キリはねえだよ。
まだまだわからないことがいっぱいあるよ。


貴重なお話ありがとうございました。今後ますますのご活躍を期待しております。




会社概要

 サスエ前田 
会社名株式会社サスエ前田魚店
住所 ・本町店/焼津市本町4-10-31
・西小川店/焼津市西小川4-15-7
TEL 054-626-0003
URL http://sasue-maeda.com/
会社紹介
駿河湾の新鮮な魚、天然の鮪などを販売しています。魚にこだわる料理長さんを始め、地元のお客様にひいきにしてもらっています。豊富なお刺身は鮮度・味ともに焼津一番!!また、自家製天日干しの干物も大好評です。さらに店頭で始めたこだわりのどんぶりが大人気。とにかく活気のあるお店です。お気軽にお立ち寄りください。
 企業情報ページ
 http://www.maruseisenkyaku.com/fishery/sasue.html




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